社風を知る

意外と身近な生活をガッツリ支えています。

司会: 化学メーカーの仕事って、学生のころはなかなか実感しづらいですよね。
どんな製品に、日揮触媒化成の技術や製品が使われているのでしょうか?

D・S: 代表的なのはガソリンです。 原油をガソリンに精製する工程では、いくつもの化学反応が起きますが、
その反応を狙った方向へ効率よく進めるのが触媒。
触媒があることで、限られた資源とエネルギーを最大限に生かしながら、
生活に欠かせない製品を生み出すことができます。
最近では、こうした技術を応用してCO₂の排出を抑えたり、持続可能な航空燃料(SAF)を製造する触媒の研究も進んでいます。

S・H: 私はナノ素材を中心とするファイン材料の分野を担当していますが、
ディスプレイ、眼鏡レンズ、化粧品などの最終製品には
私たちの素材が多く使われています。
表には出てこないけれど、意外と身近な生活をガッツリ支えていますね。

司会: 身の回りの便利さの裏には、いくつもの産業が重なっている。
その"根っこ"にあるのが素材なんですね。

実は、先端産業のど真ん中にいます。

司会: 素材が最終製品の性能を決めるとも言われます。
どんなときに、その実感がありますか?

S・H: たとえば、テレビ。
最近は4Kや8Kといった高画質の映像が当たり前になってきましたよね。
その進化を支えているのが、素材をナノメートル(1ミリの100万分の1)の領域で制御する技術です。
外光の映り込みが気になる環境でも、高画質を保ちつつ、低電力で環境にやさしい――。
その"仕組み"を生み出しているのが素材の力なんです。

司会: なるほど。見えない部分で、ものづくりの限界を押し広げているんですね。

S・H: そうなんです。
お客様のところで「こんな製品を実現したい」というテーマが立ち上がった時、「それを可能にする素材はないか?作れないか?」と私たちに声がかかる。
つまり、暮らしの進化は素材で切り拓く。
その挑戦がこの仕事の面白さです。

仕事の影響は、地球規模でした。

司会: 触媒や素材は地球環境にも影響力がありますよね。
H・Tさんは、触媒の分野を志したきっかけが"地球規模の課題"だったとか。

H・T: はい。中学生のとき、東日本大震災が起こって、
原発事故をきっかけに地球温暖化やエネルギー問題を意識するようになりました。
高校で化学や数学が得意だったこともあり、
大学進学の際に研究室のページを見ていて、
「触媒研究は地球規模の課題解決につながるかもしれない」と感じたんです。
それが、いまの道につながっています。

司会: 実際に働いてみて、その思いはどうですか?

H・T: 触媒の性能を改良することで、製造過程の有害物質を除去したり、省エネルギーに繋がったり。
私が行う実験の一つひとつが持続的社会を支える一歩になっていると実感します。

思っていたより、かなり任せてもらえました。

司会: みなさん、仕事の守備範囲が広く、自部門を超えて影響し合うと聞きました。

S・H: 例えば、ラボスケールの研究・開発を担当した人が、そのまま工業化にも携わったり、様々なサポート部門と連携しながら動くことが多いんです。
組織で働くというと「分業」というイメージがあると思いますが、当社では全体を見渡して動くことが多いですね。
同業の知人に話すと、「そんなに守備範囲広く動くの?」と驚かれることも。
気づけば、自分でも想像以上に成長できていると感じますね。

H・T: 私も入社したばかりの頃から、予想以上に仕事を任せてもらえる感じました。
もちろん上司や先輩がしっかりサポートしてくれるのですが、
「まずやってみよう」と任せてくれる文化があります。

S・H: 自分も先輩方にそうしてもらって成長できたと実感しているので、今度はそれを返していきたいです。
そのため、後輩にもできるだけ「やってみよう」と声をかけています。
当社には、「若手を信じて任せる」、そんな風土が根付いていると感じます。

思いがけず、グローバルでした。

司会: D・Sさんは営業として海外案件も多いとか?

D・S: はい。日常業務の3割ほどは海外のお客様です。
会議やメールは英語で行います。思いがけないグローバルな仕事に最初は苦労しましたが、
今は「正しく話せなくても、なんとかなる」(笑)という自信がつきました。
聞き取れなければ「ゆっくり話して」とお願いできるようになったのも成長ですね。

S・H: 研究・開発部門でも、海外のお客さんとやり取りする場面はあります。
世界の動きと繋がっている実感がありますね。

H・T: 私個人としては、まだ海外案件への参加は多くありません。
これまで参加したときも、周りの方に通訳をお願いしながらでした。
今後、海外案件を担当する機会があるかもしれないので、
少しずつ自分でも準備をしておきたいと感じています。

社内制度に、意外な"遊び心"があります。

司会: 会社の制度でちょっとユニークなものがあると聞きました。

S・H: 旅行費用補助の制度ですね。
社員全員が参加するいわゆる社員旅行ではなく、
年に1度、社内の人と懇親を深めるための旅行に会社が一定額を補助してくれるんです。
誰と行くかも自由で、好きな人と好きな場所へ行くことができます。

D・S: 私は違う部署の人たちとスノーボードに行きました。
ふとした雑談から話が広がって、気づいたら企画が立ち上がっていました(笑)。
その後、仕事の相談もしやすくなりました。

H・T: 1年目は同期と長岡へ、2年目は職場の先輩・同僚と山形へ行きました。
自由に使える制度なので、毎年多くの人が楽しんでいます。
"仕事の延長ではない関係"が築ける、いい制度だと思います。

未来を描ける会社でした。

司会: では最後に、5年後の自分をどんなふうに描いていますか?

H・T: 私はまだ入社歴が浅いので、まずは目の前の製品の工業化など、
任せていただいた機会をしっかり形にしていきたいです。
そして、自分の専門を磨いていって「この分野なら」と
頼ってもらえる存在になりたいと思います。

S・H: 私は最近、営業や製造、そして社外のお客様とも
自分が中心となって会議を進める機会が増えています。
これまでは一技術者として取り組んできましたが、今後は
技術リーダーとして関係者をまとめ、ゴールへ導く力を身につけたいと思っています。
その背中を見て、後輩が安心して頼れる存在になれていたら嬉しいですね。

D・S: 私は海外マーケットを広げていく仕事にワクワクしています。
事業方針としても海外展開が打ち出されていますし、
個人としても海外のお客様とやりとりを重ねながら
英語力も対応力も磨いていきたいと考えています。
日揮触媒化成の製品が、世界のエネルギーや暮らしを支えている――
その現場にもっと立ち会いたいと思っています。