脱硝
当社の脱硝触媒は、旧三菱油化(現三菱ケミカル)の特許に基づき1970年台初頭に自社開発したハニカム状の触媒です。1970年代に世界に先駆け日本で採用されて以来、当社は40年以上に渡り技術的な
リーディングカンパニーの地位を築いています。
脱硝触媒は、NH3を還元剤としたSCR反応(Selective Catalytic Reduction: 選択的接触還元)により、被処理ガス中の窒素酸化物(NOx)を効率よく無害な窒素や水に分解する機能を有しています。
脱硝触媒の成分としては主に酸化チタンを担体として使用するバナジウム系が主流であり、当社は当該酸化チタンの適正化も図れ、酸化チタン担体製造技術及び触媒製造技術の両方を有する世界でも類を見ないメーカーです。
従い、当社は50年来培った実績を元に、処理ガス条件と要求条件に基づき適切な触媒設計を行い提案することが可能です。
1例として、写真に示したセル数による用途別展開があります。石炭焚きにおいては、排ガス中に石炭由来の煤塵が多く含まれており、煤塵による目詰まりを防ぐためにセル数を15~25セルに設定しています。
LNG等のガス焚きにおいては、排ガス中に煤塵が殆ど含まれていないため目数を増やし、触媒量を減少できるように工夫をしています。
また、触媒の活性成分であるバナジウムはNH3の存在下で、NOxを還元する機能を有する一方で、排ガス中のSOxを酸化する悪影響があります。脱硝反応の際にSO2が酸化されSO3になると、後段の設備のトラブルにつながります。当社は、SO2の酸化を抑制も考慮した触媒設計が可能です。