先輩社員座談会モノづくり大学ってどんなところ? What is a monodzukuri university?

モノづくり大学は、「技術立社」を掲げる当社が、コアとなる知識や技術を、次世代に継承していくことを目的として、設立した社内教育制度です。実学重視の伝承の場、若い技術者が目指すべき技術立社の姿を考える場として開校し、モノづくりへの動機づけ、専門知識・技術習得の基盤づくりを行っています。

  • S.T.
  • M.E.
  • M.S.
  • S.W.

精度概要

当社の要素技術をすべて洗い出して整理し、若い技術者に知ってもらいたいものをリストアップ。
それらを体系的に学べるように、8つのカテゴリーに分類し、それぞれに総論、基礎、専門基礎を設定しています。入社5年目までの技術系社員には、大学同様にカリキュラムを組んで単位履修を義務付けています。また講師には、それぞれの分野の社内の第一人者があたり、教科書だけでは学べない経験に基づいた講義を行っています。

講師陣の考えるモノづくり大学

所属:石油精製触媒研究所
講座:ナノ細孔制御(基礎)/ゼオライト、マクロ構造制御(基礎)/粉体製造法

失敗談やノウハウを伝えることに意義がある

モノづくり大学が開校した2008年から講師を務めています。各分野のレジェンドが講師に名を連ねる中、私のような若輩者が講師を務めていいのだろうかと思ったことを覚えています。

講義では、本を読めばわかるようなことだけを教えるより、本には書いてない失敗談やノウハウなどを伝えることに力点を置きました。失敗の原因を解析することで、同じ失敗や回り道をせずに済み、若い人の役に立つと考えたからです。こうした失敗談は、各職場で上司が部下に話すことはありますが、それでは限られた範囲の人にしか共有できません。モノづくり大学ではさまざまな部署の人が受講できるため、より多くの人に共有できることに意義があると考えます。

そういう思いで講義を行っても、受講生からの反応がもの足りないと感じることは少なくありません。それは仕方のないことで、入社間もない人にとっては、その意味や価値がよくわからないのだと思います。しかし、経験を重ねるにつれ、モノづくり大学で学んだことが、壁を乗り越えるためのヒントや気づきになるはずです。

モノづくり大学では、直接業務に関係する分野だけでなく、多様な分野の技術を学ぶことができます。それによって、さまざまな視点から物事を見る能力を身につけ、教わる側から教える側に成長してくれることを期待しています。

所属:ファイン研究所
講座:ナノ粒子配列制御(専門基礎)/表面処理、ナノ細孔制御(専門基礎)/ゾル調製

引き継いだ知財をブラッシュアップし若い世代に伝える

私は、2018年から始まった第二期モノづくり大学で「表面処理技術」、「ゾル調製」の講師を務めています。私自身はモノづくり大学を受講した経験はありませんが、新入社員が専門外の分野を学ぶことは有意義だと常々思っていました。

確かに、ファイン研究所で働いている研究員にとって、触媒技術の知識は直接的には必要ないように見えます。しかし、材料を突き詰めていくと、最後はシリカやアルミナに行き着く等、その基礎を学ぶことはとても意義があります。

今回、初めて講師を務めるにあたり、先輩講師の資料を見直しました。そこで感じたのは、現在の当社の知的財産は、その思想も含めて、先輩から途切れることなく引き継がれてきたものであり、自分もそれを次の世代に伝えていく責務がある、ということです。しかし、単に伝えるのではなく、新たに生み出した知財や最先端の情報、そして失敗も含めた私の経験をそこにつけ加えることでブラッシュアップし、若い世代の人たちにより参考になり、活用しやすいものにしていく必要があると思っています。

受講生はとても真面目で熱心です。その姿勢を忘れず、今後壁にぶつかったとき、モノづくり大学で学んだ当社のコア技術や蓄積された知財をもとに、より広い視野で問題を捉え、乗り越えていってほしいと願っています。

モノづくり大学 受講生の声

所属:ファイン研究所
受講期間:1年目~6年目

研究開発という仕事の面白さと醍醐味を知るための場

私は入社1年目から6年目まで断続的にモノづくり大学を受講しました。最初は基礎講座で基本を学び、その後は必要に応じて専門講座を受講しました。

私は大学で有機化学を専攻したため、当初、無機化学が主体の講義についていけないのではないかと不安でした。しかし、それは杞憂でした。講義では耳慣れない専門用語が頻繁に出てきますが、それが気にならないくらい講師の熱い“想い”が伝わってきて、講義に引き込まれました。それは大学での講義とは全く違っていて、知識の習得だけでなく、研究開発という仕事の面白さと醍醐味を知るための場でもあります。技術者が壁にぶつかり、手ひどい失敗に意気消沈しながらも、それをいかに乗り越えたかというストーリーが、製品の一つひとつにあります。それは、まさにドラマそのものです。それを当事者の講師から直接聞けたことは、これから技術者として仕事をしていく上で、得難い経験となりました。

当社の要素技術は多分野にわたっており、基礎講座では多くのテーマを受講することになります。刻々と変化し、スピードが要求される市場に対応するためには、自分のテーマではないからと線を引くのではなく、異なる分野同士を相互に組み合わせて新たな技術を創出することも重要だと思います。モノづくり大学で学んだ考え方をもとに新たな製品を創造し、いつの日か胸を張って語れるような技術者になりたいと考えています。

所属:ケミカル・環境保全触媒研究所
受講期間:1年目~2年目

知識の習得だけでなく、人とのつながりもできた

私は大学で有機化学を専攻していたため、無機化学については初歩的な知識しかありませんでした。まして触媒化学は無機化学の中でも特殊な領域だと聞いていました。そこで、まずは基本的な知識・考え方を勉強したいと考え、モノづくり大学を受講しました。

講師はそれぞれの分野のスペシャリストで、専門知識はもちろん、自らの経験を踏まえた実践的な講義をしてくれるので、とてもわかりやすかったです。資料もよく整理されていて、講義中だけでなく、あとで見直して理解を深める助けになりました。

モノづくり大学は、もう一つの思いがけないメリットをもたらしてくれました。それは「人とのつながり」です。講義が終わってから、わからなかったことや新たに生じた疑問を、改めて講師の方に聞きに行ったところ、丁寧に説明していただき、追加の資料も提供してくれました。さらに、「それについては○○さんが詳しいから教えてもらいなさい」と他部署の方を紹介していただいたばかりか、食事会にも誘ってもらいました。入社1年目で社内に知っている人がいなかった私にとって、とてもありがたい心遣いでした。

モノづくり大学で学んだことは自分の仕事に直接役立つわけではありませんが、研究に行き詰まったときに資料を見返すと、そこにヒントが隠されていることがあります。その意味でも、モノづくり大学の受講は私の貴重な財産となっています。

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